(ミスターSです)
『最近物忘れが激しくなった』 思い当たる人は多いいと思う。
年を重ねれば、若いときと違って記憶力は低下する。 若年性のアルツハイマー病を特集したテレビ番組も多くなった。
記憶力の低下に恐怖を抱くようになる。 そこで何とか記憶力、脳の働きを良くする方法はないかと思う。
『脳の働き』を取り上げたテレビ番組も多くなった。 いわゆる『脳トレブーム』が始まった。 脳科学者が、脳の働きに関する実験をする。
PET(陽電子断層撮影法)やMRI(核磁気共鳴画像)で脳の働きを 画像で調べられるようになった。 被験者がある作業をすると、脳の一部の血流が増大することも容易 T に分かるようになる。 視聴者は、この部位が活性化されて脳が良くなったと思ってしまう。 しかし、著者は異を唱える。 脳は活性化しているわけではなく、脳がブドウ糖を取り込んでいるに過ぎない。 英語が出来ない人が必死に英語を学ぼうとすると脳の言語中枢の活動は活発になる。 しかし、英語が良くできるようになると脳の”活動”は低下する。 「MRIでの変化」と「脳の活性化」とは関係がないという。 これが「脳トレブーム」.の落とし穴でもある。
また、著者はこのようなことも言っている。 脳トレは老いの摂理に反している。 忘れることは悪いことではない。 人生、いやな思い出も多い。忘れることも生きる知恵である。
右脳、左脳についても言及している。
右脳を訓練して社会的に成功するのどまったく根拠がないそうだ。 それどころか、うつ病と右脳の活動亢進は密接な関係があるという。 一般的に言われている右脳人間、左脳人間などにわける危険性を指摘する。
我々は、頭を鍛えるには何をしたら良いのだろうか。
本当の脳トレは毎日の日常生活にあるという。 わざわざ「脳トレ」をする必要などない。 著者は脳を鍛えるための三つの習慣を勧めている。
1、運動 2、刺激のある環境で生活をする。 3、頭を使うこと。
また、正しい呼吸も脳の活性化を促進する。
うれしいことに脳細胞は高齢になっても増えることは明らかになっている。
本書には高齢化社会を生きる知恵がたくさんある。
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