ミスターSの本棚

公務員ムダ論  福岡政行  角川書店

(ミスターSです)

副題は、不況時代の公務員のあり方

民間企業の賃金が下がり続けている
2008年9月に発生したリーマンショックからは、減少が甚だしい。

昨年冬のボーナスを支給された労働者は半数に過ぎない。
上場企業でも15%カットされた。賃金カットに追い込まれる企業も激増している。

一方、公務員は5%程度のボーナスカットで済んでいる。
著者は憲法15条(公務員は国民全体の奉仕者)を引き合いに出し
20%のカットはあってしかるべきだと怒りをぶつけている。

公務員人件費はいくらになるか知っているだろうか。

なんと35兆円に上る。
独立行政法人第三セクターの人件費を加えれば38兆円になる。

2009年の税収(国と地方)が77兆円になる見込みなので、ほぼ50%が
人件費に食われている。

民間企業の従業員と公務員の給与はどうなっているか。

民間企業の平均給与は430万円に対し、公務員は700万円になる。(42歳平均)
民間給与所得者の内訳を見ると、300万円以下の人が40%、300万円から500万円の人が30%
全体で70%の人が500万円以下である。
いかに格差があるか分かる。

納税者よりも公務員の方が給与が高いのである。

公務員には①給与②退職金共済年金の「お得三点セットがある。
給与だけではない。高額な退職金をもらえるのである。
退職金が出ない企業は多い。業績の悪化で出せないのだ。
出せる企業でも、2000万円以上のところは極めて少数だ。

血税をもらっている公務員が、血税を搾り出している民間人より多額の
報酬を得ているのはどう考えてもおかしい。
民間人以上に血と汗を流しているのなら別である。

しかし、その逆であるから批判されるのだ。
それも無策のまま放置されたままである。
公務員改革など一向に進まない。

著者は提言する。
政権交代  (民主党に政権交代したが、公務員改革は期待薄である。)
政治家定数は半減
③公務員の天下り全面禁止
④公務員人件費2割カット、退職金3割カット

公務員改革を本気で実行する時が来ている。

公務員ムダ論――不況時代の公務員のあり方 (角川oneテーマ21) [新書]



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会社をつぶす経営者の一言  村上信夫  中公新書

(ミスターSです)


企業が不祥事を起こしたときに「お詫び会見」が行われる。
社長を初めとして幹部が一列に並び、深々と頭を下げる光景は
メディアを通じて全国に報道される。

記者から鋭い質問が飛んでくる。
会社側から「返答」がヤリ玉に挙げられることも多い。

『無責任だ』『誠意がない』『被害者の立場に立っていない』
致命的な言動をとってしまうこともある。

雪印乳業・集団食中毒事件での社長の発言である。
『私は寝てないんだ』
この場面は全国ネットテレビで放映された。

寝ないで対応に追われ、心労が極度に達していたのは事実であろう。
しかし、この一言が被害者感情に火を注いだ。

この一言が会社の対応を象徴していると思わせた。

結局社長は辞任に追い込まれた。
ある本で読んだが、社長にこのような発言をさせること自体
会社のリスク管理に甘さがあるという。トップの言葉は最終責任である。
トップの言葉は選ばなければいけない。

話は変わるが、
宇宙飛行士が地球からのインタビューに応えるシーンを見たことがある人は多いと思う。
受け答えが的確でそつが無い。「いいこと言っているな」と感心することもある。
彼らは、長期にわたって専門家からトレーニングを受けているというのだ。
何千万もの人が見ているから、失言は許されない。

本書には、多くの事例がある。
メディアで報道されたから知っている事件だ。

著者は言う。
「人は起こしたことで非難されるのではなく、起こしたことにどう対応したかによって
非難される」

多くの人は、緊急時の言動からその人間性、あるいは企業の本質が分かると
考えている。

企業側としては、「コトバ」「態度」「姿勢」などを徹底してシミュレーションをして
リスク管理に注力することが求められている。

会社をつぶす経営者の一言 「失言」考現学 (中公新書ラクレ) [新書]



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「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?細野真宏 扶桑社

(ミスターSです)

副題は「世界一分かりやすい経済の本」

経済の難解な問題を分かりやすく解説している。
著者には『数学嫌いでも「数学的思考力」飛躍的に身につく本』というベストセラーがある。
「数学的思考力」の有効性を語っている。

年金問題の」の最大の焦点は「未納問題」であるといわれている。
これは「未納者が増えれば、今の年金制度破綻する」という論理になる。

はたしてそうだろうか。

年金には、国民年金厚生年金共済年金がある。
会社員が支払う厚生年金の保険料には、国民年金も含まれている。
公務員の共済年金も同様である。
給料天引きであるから未納は発生しない。

会社員や公務員の妻たちは「第3号被保険者」になり、国民年金の保険料を支払わなくても良い。
納付率が60%」というのは「10人に4人が支払っていない」わけではない。
これは「第1号被保険者」に関する話であって、誤解の原因がある。

数字で説明しよう。

公的年金加入者は7012万人(平成19年度)
自営業者や学生が加入する第1号被保険者数2035万人。
その内保険料納付者は1209万人。未納者は826万人であるが免除者等が518万人存在する。
実質的な未納者は308万人になる。

未納者308万人を公的年金加入者総計7012万人で割れば4.4%になる。
これが未納者の実体数字である。
未納者5%未満では「年金破綻」の原因にはならない。

・なぜ人は、「宝くじの行列」に並んでしまうのか?
・なぜアメリカ住宅ローン問題で私たちの給料まで下がるのか?
など「数学的思考力」で説明している。

数学というと難解の数式を思い浮かべ、苦手と思い込んでいる人も多い。
義務教育での数学トラウマである。

しかし、事象の本質をとらえる「論理的思考力」のツールだと考えればいい。

「数学的思考力」の楽しさを教えてくれる本である。

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?~世界一わかりやすい経済の本~



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エコ亡国論  澤 昭祐  新潮新書

(ミスターSです)


2009年8月、民主党は選挙で圧勝し、政権与党になった。
翌9月、民主党党首である鳩山首相は国連で演説をした。

『2020年までに、温室効果ガスを1990年比▲25&削減する』
各国からは賛辞が相次ぎ、政権交代による日本の「チェンジ」を歓迎した。

どこの国の指導者も「温室効果ガス削減」はできるならやりたくない。
自国の経済の足を引っ張るからである。

1997年に京都議定書が策定された。。
京都議定書も大きな問題があった。途上国には温室効果ガスの削減目標がない。
途上国に工場を移転すれば、何のお咎めもなくなるカラクリがあった。

既に日本は世界一省エネ」が進んだ国になっていた。
だが、日本は▲6%を受け入れた。
ブッシュ政権は京都議定書からは脱退した。
その日本の鳩山首相が▲25%を表明したのであるから、驚嘆であった。

著者は、鳩山演説の欠陥を指摘する。
ボトムアプローチの放棄
②国際的公平性に対する見識の欠場
③経済との両立の無視

アメリカ、EU.、途上国は自国の権益確保のためあらゆる「外交的手段」でを使う。
各国間の「駆け引き」の応酬である。

鳩山首相の理想は非難されるものではない。
先進国のリーダーとして重要な演説である。
しかし、世界各国はしたたかなのだ。

日本を沈没させかねない「公約」はしてはいけない。
ここにも外交下手の「お人よし日本人」の姿がある。

本書を「日本外交の実像」としてみることもできる。

さらに著者は「排出権割り当て・取引制度」の誤解と曲解を指摘する。
私もある本で「排出権取引」を知ったとき、これでは温室効果ガスの
削減などできるはずがないと思った。

こんな当たり前のことを各国首脳が集まって決めることだろうかと思った。
売買されるわけだから、総量は変わらない。技術革新が進展するとその本は
書いてあったが、この著者は否定する。
頭の良いアングロサクソン金融商品に仕立てたと見るのが妥当だろう。

温室効果削減を論ずる前に、CO2温暖化の原因であるかどうかはわからないと著者は言う。
以前のブログでも紹介したが、地球は温暖化していない。これは著者も指摘している。

「温室効果ガス」を言い始めたIPCC気候変動に関する政府間パネル)という組織がある。
各国政府もマスコミIPCCを信じていた。

しかし、昨今OPCCのレポート信頼性は大きく揺らいでいる。
科学的な裏付けのない報告も多いことが暴露されてきた。
スキャンダルも多く、「政治化した科学」に成り下がっていると言う。

地球温暖化の原因二酸化炭素でないとしても、地球環境を護ることは人類の使命である。
しかし、実務レベルでは各国の「思惑」「権益」が複雑に絡んでいる。
実際に動かしているのはこの「影の部分」である。

マスコミの報道は限られ、ごく一部の事実しか報道できていない。

地球環境に関心のある人は、是非一読を薦める。

エコ亡国論 (新潮新書) [新書]



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死因不明社会  海堂 尊  講談社

(ミスターSです)


日本における年間の死亡者は約100万人強。
解剖率は2パーセント台である。
98パーセントの死者は、厳密な医学検索を行わないまま死亡診断書
交付されている。

変死者は15万人を占める。
司法解剖行政解剖が行われたのは9パーセントに過ぎない。
13万人強の変死者が死因の究明もされずに、火葬にされている。

ある本によれば、先進国では変死者の半数は自殺と見なしているという。
日本では7万5千人が該当する。

「死亡時医学検索」が行われていない社会は恐ろしい事態に直面する。
医療崩壊」と「治安破壊」である。
特に怖いのは「犯罪者天国」「殺人者天国」の出現である。

解剖されない13万5千人の中に、相当数の殺人被害者がいると推測できる。
しかし、解剖で死因が究明されていない以上、誰にも分からない。
薄ら笑いを浮かべている殺人者がいるに違いない。


監察医制度というものがある。東京には東京都監察医務院がある。
東京を含めわずか五都市のみに設置されているだけである。
広く設置されていないのは、行政の不作為による罪だと著者は断言している。

では、どうすれば「死因不明社会」から脱出する処方箋はないのか。

著者は、特効薬を処方する。
Aiエーアイ)】(オートプシー・イメージング)
である。
2000年に提唱された医学検査概念のことで、
一言で言えば「死体に対する画像診断」のことだ。

死亡時にCTやMRIを用いて死亡時画像を撮影する。
解剖がされていない現在では、死亡時医学情報の切り札となるという。

著者は「Aiセンター」の設立を提唱している。
がんセンター循環器病センター等があるのに「Aiセンター」がないのはおかしい。
2007年に初めて千葉大医学部に設置されたのは革命的なことだと評価している。

「死因を特定する社会」の仕組みが社会のあらゆる分野へもたらす効果は
極めて大きい。全国規模で早急に確立して欲しい。

死因不明社会 (ブルーバックス) [新書]



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なぜ、横浜中華街に人が集まるのか  林 兼正  祥伝社

(ミスターSです)


横浜中華街は私の好きな町だ。
今まで何度も行ったことがある。
一年ほど前に横浜に転勤になり、ますます身近になった。

横浜中華街は、中華料理店集合体ではないと思っていた。
中国文化と人間同士のコミュニティの息遣いに、魅力を感じていた。

著者は、横浜中華街「街づくり団体連合協議会の会長、横浜中華街発展会協同組合理事長
はじめいくつもの要職についている。萬珍楼の代表でもある。

横浜中華街の歴史を語り、現在の横浜中華街を作るまでの著者の「思い」と「実行」の歴史である。
著者がいなければ、今の横浜中華街はなかったであろうと思う。
本書を読んで、「横浜中華街の魅力」の源泉がわかる。


本書には、もう一つ大きなテーマがある。
町おこし」「町づくり」の秘訣である。

日本の商店街をみても成功しているところは稀である。
地方の商店街は、シャッター通りに変わり果て、ゴーストタウン化しているところも多い。
国も地方自治体莫大予算を投資しているが、再生には遠い。
行政が作成する「町づくり」、つまり上からの「町づくり」はうまくいかない。

横浜中華街にマンションが建つ計画が持ち上がった。
馬(女ヘン)祖廟を建立しようとした土地である。
マンションが建てば町は潰れる。
行政はあてにならない。そこで町の人々がお金を出し合って、その土地を買い戻したのだ。

『この町は自分たちの最期の砦』と思うかどうかが、成功と失敗の分かれ道だという。
著者のように優れたリーダーと住人の「思い」が、組織をつくり、変革し、有能な若手が集まってくる。
横浜中華街を訪れる人にも伝わってくる。いい循環が動き出す。

横浜中華街は特例だと思ったら大きな間違いだ。
「『最期の砦」と思った住民たちの「思い」が行政さえも動かす。

「町つくり」「町おこし」の原点を見た。


なぜ、横浜中華街に人が集まるのか(祥伝社新書211) [新書]



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なぜ人は詐欺師にダマされるのか  内藤   KKベストセラーズ

(ミスターSです)

『ダマされた!』経験のない人はいないと思う。
詐欺師は、我々の身近にいて、狙っている。
『今度は二度とダマされないぞ!』と心に誓ったが、またいつしか同様の手口に引っかかってしまう人も多い。

「振込み詐欺」「リフォーム詐欺」「架空投資の詐欺」はマスコミの常連である。
「寸借詐欺」(ミスターSです)


『ダマされた!』経験のない人はいないと思う。
詐欺師は、我々の身近にいて、狙っている。
『今度は二度とダマされないぞ!』と心に誓ったが、またいつしか同様の手口に引っかかってしまう人も多い。

振込み詐欺」「リフォーム詐欺」「架空投資の詐欺」はマスコミの常連である。
寸借詐欺」などは落語にも良く出てくる詐欺の古典である。

著者は、心理学者である。
詐欺師と対決するには「対症療法」は通用しないという。
「対症療法」の裏を突いてくるのが詐欺師の本質であるからだ。

『○○に注意しましょう』ではいたちごっこで終わるのが関の山である。
狡猾な仕掛けをしてくる詐欺師に対して、ダマされる側の心理学的な「原理」を説き明かしている。
これこそが『人はなぜダマされるのか?』の解明になる。
「心理的な原理」が分かれば、対策も可能になる。

最初に「ダマされる人の心理原則」を取り上げ、「詐欺師の言葉の魔術」
「詐欺を呼び込む心のスキ」「詐欺師の商売道具」「「対処法」と解説している。

「ダマされる人の心理原則」では、欲があるからダマされるといっている。
確かに「儲け話」に引っかかるのは、当てはまると思う。
しかし、純真な気持ちの人間をも踏みにじる詐欺師もいる。
私に言わせれば、ダマす方が100%悪い。
詐欺師の肩を持つようなことは言ってはいけない。詐欺師が付け上がるだけだ。

詐欺師の舞台として、繁華街での「売買契約」がある。
繁華街で声をかけられ、騒々しい事務所や喫茶店などに誘われて、高価な商品の
購入契約をしてしまう例である。

騒々しい場所では、注意散漫になり、正常な判断ができなくなる。
自分の慣れた、静かな場所であれば、冷静な判断が働き、決して契約などしないものだ。
詐欺師は、ここを突いてくる。
あらかじめ人間の心理的弱点が分かっていれば、自分の行為にもストップがかけられる。

詐欺師の狡猾なワナに直面したときに、人間が落ちいてしまう、「錯覚」や「思い込み」を
学習するだけで、被害は減少すると思う。

本書には、詐欺師と被害者の「交差点」が多くの事例を通して詳しく書かれている。
「交差点」に立ち止まったときに、自分を見失わないことである。

詐欺師は、相性の悪い人間にはすぐに見切りをつけるのだ。

なぜ人は詐欺師にダマされるのか (内藤誼人の心理シリーズ) [単行本]



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このブログはミスターSと、その仲間で読んだ本の所感等を書いています。私ことミスターSはフォトリーディングという特技で、1年間に365冊以上の本を読むようにしてます。このブログを読んで、気になった本があったら、ぜひ読んでみてください。

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