ミスターSの本棚

なぜうつ病の人が増えたのか  高橋辰一郎    幻灯舎新書

(ミスターSです)

うつ病」が身近になっている。私の勤務している会社でも、「うつ病」が原因で
休職している人が多くなっている。
一般の週刊誌、健康雑誌等のメディアにも頻繁に取り上げられている。

社員の体の健康だけではなく、メンタルヘルスケアも重要になっている。
著者は産業領域のメンタルヘルスを専門にしている精神科医である。
心の病」で困っている社員の相談相手である。

著者は、あるとき重要なことに気づく。

日本では、1999年から6年間で、病院に通院する「うつ病患者」が2倍に増えた。
一般に、うつ病患者の増加は労働者を取り巻く社会環境の変化で説明されている。
経済の停滞、雇用の減少、非正規社員の増加、グローバル、競争の激、ITの急速な進展等である。

著者の答えは「NO」である。

うつ病患者が急増し始めた1999年に新薬発売された。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻止薬)という薬だ。
6年間で患者が2倍になった。薬の売上は5倍になった。
SSRIは薬価が高いからだ。

ビジネス感覚がある読者にはピンとくるだろう。
製薬会社経営戦略が「うつ病患者の増加」と密接な関係にあることを見抜ける。
「うつ病患者数」と「メンタル休職者数」と「薬の売上」の三位一体の構図である。

製薬会社による「うつ病の啓発」キャンペーンも盛んになってきた。
『うつ病は薬でよくなる』『自分で悩まず医療機関に相談しよう』

薬価が高いSSRIはドル箱だ。「うつ病患者」の増加は収益の増加となる。
一人でも多くの「うつ病患者」を作ることが戦略になる。
製薬会社は医師の「囲い込み」にも攻勢をかける。

一番困るのは、患者である。
医師の判断に逆らうことはできない。
与えられた薬を服用するしかない。

人間誰しも「うつ状態」になることはある。
しかし、すべてが病気ではない。ある意味、生きている証拠である。

軽症のうつ病には坑うつ薬は効果がないそうだ。
それにもかかわらず、SSRIを処方している現実がある。
被害者は患者である。

本書は2009年6月に発行されている。
この一年間の変化はわからないが、著者のような勇気と見識を持つ
医師の登場を願いたい。

なぜうつ病の人が増えたのか [単行本]



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ドル漂流   榊原英資   朝日新聞出版

(ミスターSです)


1971年8月15日 アメリカニクソン大統領ドルと金の交換停止を宣言した。
いわゆるニクソンショックだ。ドルの緩やかな下落が始まった。

その後、1973年、世界は変動相場制の時代となった。
為替取引は変貌を遂げていった。

現在では、クロス取引(米ドル以外の通貨同士の売買)が急速に拡大している。
もはや、米ドルだけの世界、ドル本位制の世界は終わったのである。

著者は歴史をさかのぼり「通貨の興亡」を検証していく。

アメリカ金融帝国の覇権終焉し、ユーロ誕生したヨーロッパの歴史をたどる。
成熟化した先進国の経済と新興国の台頭はめざましい。
経済のダイナミズムは通貨のダイナミズムでもある。

ドル本位制が終焉し、世界の為替は無極化した。機軸を失ったのだ。 z
基軸通貨たるドルはどこへ向かうのか。
ドルに代わる機軸通貨は生まれるのか。

まさに「ドル漂流」である。

著者は、世界経済が大きな構造変化の局面に入ってきていることを強調する。
先進国が成長段階から成熟段階に入ってきたこと、
一方では、中国やインド等の新興国が世界経済の中心になってきたことを意味している。

さらに著者は「世界の歴史の中の中国とインド」を振り返る。

19世紀のはじめにおいては、中国とインドのGDPは世界の45%を占めていたそうだ。
しかし、欧米のアジア植民地化によって衰退を余儀なくされた。
この200年だけが欧米に逆転されただけで、長い歴史をみればほとんどの期間
中国とインドは世界の超大国であった。

今直面している構造変化は、オリエントつまり再び東洋に歴史の中心が戻ってきたという
ことに過ぎないという。

「目からウロコ」の卓見である。

ドル漂流 [単行本]



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百寿力   白澤卓二  東京新聞出版局  

(ミスターSです)

100歳を過ぎても元気な人々がいる。
70歳でエベレストに登頂し、75歳で二度目の登頂を果たした
プロスキーヤーの三浦雄一郎

父親の三浦敬三氏は100歳を超えても現役のスキーヤーであった。
102歳で亡くなった。

百歳の現役医師の日野原さんも有名だ。芸術家にも多い。
普通の人間とはどこが違うのだろうか。

101歳で亡くなったアメリカ修道女

死後解剖をしたが、脳は萎縮し、アルツハイマー状態であった。
しかし、認知症等の症状は全くなかったという。
頭を使い続けることで認知症の症状が出なかったのだ。

二つ前の書評で紹介した『脳は奇跡を起こす』の事例のように
脳卒中を起こしても奇跡的に回復する場合も多い。
脳の神経細胞は、とてつもない潜在力を秘めている。

長寿の研究で、2003年に長寿遺伝子「Sir 2]が発見された。
長寿遺伝子は誰でもが持っている。

しかし、スイッチがオンになっていない人がほとんどだ。
スイッチをオンにするためには「カロリー制限」が必要だという。
軽い運動も長寿遺伝子を活性化する。

長寿者の特徴は
・常にポジティブシンキングをしている。これが神経細胞をどんどん新しく生み出している。
・刺激の多い豊かな環境の中で、頭を使い続けている。
・強い足腰
・適正体重
・運動の継続

長寿のためのトレーニングを紹介している・
・好奇心を失わず、脳に刺激を与え続ければ脳は老化しない。
 趣味 人との交流が大事
・筋肉を鍛える。
腹式呼吸
・粗食はしない。

要はバランスが重要である。

本書は、百寿者の研究を通して、「より良く生きる知恵」を教えてくれる。
人間は、我々が思う以上に、タフで巨大な潜在能力を秘めている。

遺伝子を「オン」にするのも「オフ」のままにするのも自分次第である。
「心と体」の使い方がポイントである。

百寿力 長寿遺伝子のミラクル



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誰も知らない「危ない日本」  武田邦彦  大和書房

(ミスターSです)

副題は「大きな声では言えない7つの問題

1、食品 2、ゴミ 3、ダイオキシン 4、預金 5、年金 6、政治家とカネ 7、エコ

私が注目したのはダイオキシンである。
最近は、メディアの話題にもなっていない。
何年か前には大騒ぎだったのを覚えている。

ゴミを焼却するとダイオキシンが発生すると騒がれていた。
自治体のゴミ焼却炉建設反対の根拠にもなった。

ベトナム戦争で使われた枯葉剤もダイオキシンが原因で深刻な後遺症が引き起こしたとされた。
ダイオキシンは史上最悪のの毒物であると報道されていた。

ところが、全くのデタラメであることが分かった。
ダイオキシンが原因とみたれる患者が出なかったのである。
当時、普通の人から比べると千倍から一万倍のダイオキシンを20年以上接していた人が
全世界で34万人以上いた。
追跡調査の結果、患者はでなかったのだ。

それなのに、なぜ「猛毒」にさせられたのか?

「ダイオキシンは猛毒」だといえば、誰もが都合よく、損をしなかったのだ。
環境保護団体には攻撃のターゲットが生まれ、分析会社、機械メーカーは儲かった。
自治体職員は長いものに巻かれていれば良かった。

結局、無駄な税金がつぎ込まれた。
まさに「マッチポンプ」である。

環境ホルモン」もメディアから消えた。

「人工的に作られた物質が、オスをメス化させる」
10年以上前は頻繁に報道されていた。
NHKなどは特集番組を放映していた。

ところが、これも「誤り」であることが分かった。
「オスがメスに変わるというのは、自然界では珍しいことではない。
それだけを取り上げると、あたかも自然界に異変が起こっているようにみえる」
環境ホルモンとは関係がない。

メディアは恐ろしい。
あの「知の巨人」といわれるjジャーナリスト立花隆さんも「環境ホルモン入門」
を書き、「環境ホルモンの恐怖」を警鐘していた。騙されただけである。

我々は、このような本で、初めて事実を知ることができる。
10年ほど前に、大騒ぎをして報道したマスコミは、しっかりと検証し、事実を
再度、メディアに露出して欲しい。

誰も知らない「危ない日本」大きな声では言えない7つの問題



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脳は奇跡を起こす  ノーマン・ドイジ  講談社

(ミスターSです)

人間の体は不思議だ。とりわけ脳は謎に満ちている。
科学は進歩はしているが、より真実に近づいているかどうかは分からない。

今まで、脳について支持されている学説がある。
「脳は、多くの部品や配線からなる複雑な機械で、その部品の一つ一つが
特定の精神機能を担っており、遺伝的に固定化された機能を受け持っている。
変わる余地はない」

本書には、これを覆す事例がたくさんある。
平衡感覚を失って、ひっきりなしに転ぶ女性が回復した例、
重度の脳卒中から回復した例などである。

人の脳は変化し、自らを再編成することができる。
可塑性」という革命的な発見を事例を交えて解説しているのが本書である。

「可塑的」とは「変化できる。柔軟な、修正できる」という意味である。
宿命的な機械論と対立する概念だ。

脳は自ら「脳マップ」を塗り替えることができる。

人には想像力がある。想像することで脳が解剖学的に変化する。
心的な訓練でも同様の結果が得られる。。
CTスキャンで確認できるそうだ。

「可塑性」は人に勇気と希望を与えてくれる。
脳が「致命的な損傷」を受けても、正常な部分が脳全体の総力を挙げて補完する。
正常な人には無限の可能性があることを示唆している。

しかし、これらは自然にはやってこない。
解説で脳科学者茂木氏が言っているが、必要なのは
よりよく生きようとする「意欲」なのである。

脳は奇跡を起こす [単行本]



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悪魔のささやき  加賀乙彦  集英社新書

(ミスターSです)


『あの時は、悪魔がささやいたんです』
『どうしてあんなことをしたのか。自分でも分からない。
なんだか自分ではない者の意思によって動かされていたような気がする。
本当に、悪魔にささやかれたとしか思えません』

著者は職業柄(精神科医、作家)幾度となく耳にした。
冒頭の語りである。
犯した罪の刑を軽くしようとする言い逃れではない。


殺人犯のような凶悪犯でなくとも、誰もが経験している。
他人に向かえば犯罪になることもあるが、自分への激しい後悔になることもある。

「悪魔のささやき」は人間を破滅に追いやる。
自分が自分自身への殺人者になる「自殺」
心弱った人間の背中を「ポンと押す」
年間3万人以上の人間が「悪魔のささやき」の犠牲になっている。

ある人が言った。人には一日に6万個の想念が沸いてくるという。
目が覚めてから自分の心に注意を向けると分かる。
想念が浮かんでこない時は一瞬たりともない。

プラスの想念」もあれば「マイナスの想念」もある。
複雑な人間関係の中で生きる現代人は、対人関係の「悪い想念」に
とらわれている人も多い。
「悪魔のささやき」がチャンスを狙っている。


日本人は「悪魔のささやき」に弱いという。
「和」を重んじ「個」が育っていないからだ。
農耕文化の中で生まれた「和の精神」と、そこから生まれた
「自分の頭で考えるのが苦手」と言う日本人。

徳川幕府300年の統治ですっかり出来上がってしまった。

いかにして悪魔のささやきを避けるか。

悪魔につけ込まれない本物の「知」を育てることだ。
視界を360度に広げ、想像力を鍛え上げることだ。
悪魔は「人間の無知」に付け込む。
自分の頭で考え、深い思考を習慣化することが自分の身を守る。

悪魔がささやいたら、立ち止まって深呼吸をして、冷静に「観察する」ことだ。

悪魔のささやき (集英社新書) [新書]



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終わらない対中援助    古森義久 青木i直人  PHP研究所

(ミスターSです)


北京首都国際空港は日本のODA(政府開発援助)300億円が投入されて建設された。
北京の地下鉄には200億円もの日本のお金が使われた。
中国人誰も知らない。知っているのは一部の政府関係者だけだ。日本でも報道されていない。

中国へのODAは1979年に始まり、2008年に終了している。
正確に言うと、終了するのはODAの内9割を占める円借款のみで、無償援助と技術援助は
継続している。

規模は、円借款で約3兆円、公的対中援助で約3兆円、総計6兆円に上る。
「円借款」というと援助というニュアンスはないが、ほとんど無利子に近い融資である。
日本国民の税金であることを忘れてはならない。

日本のODAは特殊であるという。
「ODA大綱」が1992年に制定されたが「法律統治」がない。
政策に理念がないために、相手国の要請によって援助を行う「要請主義」が慣例になっている。

中国人はODAの実態を知らされていないが、知ったとしても感謝はしないという。
反日教育の結果「ODAは戦争賠償金」という刷り込みに成功しているからだ。

著者は疑問を投げかける。
30年にわたる対中援助は何であったか。
検証の総括的な報告は皆無である。

理念なき日本外交の典型がある。
中国と政治問題になるのを恐れて報道しないマスコミの責任も大きい。


終わらない対中援助 [単行本]



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女は男の指を見る  竹内久美子  新潮新書

ミスターSの本棚)


「長い薬指」をもった男ほど稼ぐ。

証券会社トレーダーの収益差を調べた結果である。
薬指に対する人差し指比率が低い(つまち薬指が相対的に長い)グループのほうが
年78000万円も収益が大きいことが分かった。

英国 白人男性の平均指比は0.98、女性は1.0
先の例のトレーダーは0.93であった。
日本人は、男性0.95で一般的にモンゴロイドは低い傾向にある。

手のひら側で計る。薬指と手のひらの境目には二本の線があるが手のひら側で測定する。

薬指の長さは何を意味するか。
胎児期のテストステロン男性ホルモン代表格。生殖能力と関係が深い)
レベルが高かったことを意味する。

プロのサッカー選手の指比の研究がある。
一般人より当然低い。おもしろいことに、レギュラー選手のほうが控え選手より低い。

音楽の分野でも同じ結果が出ている。
プロミュージシャンの指比は低い。
指こそ「できる男」の印である。

女性が気になる男のパーツは何か。
1位は指、 2位 目 、3位 腕、二の腕
1位に指がくるのは、女性たちが本能的に「できる男」を見抜いているからか。

ちなみに、男性が気になる女性のパーツは
1位 胸、2位 目、3位 お尻

動物行動学か人間に当てはまる。特に男女の関係ではまさに人間も動物的である。
自分のDNAを残そうとする「利己的遺伝子」のなせる技か。
動物からみる人間学も面白いものだ。

女は男の指を見る (新潮新書) [新書]



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二酸化炭素温暖化説の崩壊  広瀬 隆  集英社新書

(ミスターSです)


日本では、連日の猛暑日だ。何万人もが熱中症で倒れ死者も多く出ている。
テレビでは気象庁の担当者がコメントした「地球温暖化の影響も大きい」
本当だろうか。

北半球は暑いが、南半球は例年より寒いという報道もある。
地球温暖化」の原因は何か。
街角でインタビューをすれば、ほぼ100%の人が二酸化炭素と答えるだろう。
温暖化=Co2」が見事に刷り込まれている。

残念なことに、たいていの人間はマスコミから情報を得ている。
地球温暖化のメカニズムなど科学者でなければ分からない。
著者は、中世の「魔女狩り」のような「二酸化炭素犯人説」を冷静に反論している。

「ここ10年、地球の気温は全く上昇していません。むしろ寒冷化しているのに
なぜ温暖化と騒ぐのですか」
著者の講演会で投げかけた。
集まっていたのは温暖化論と環境問題に精通した「うるさい人」だ。

データを示した。著者の調査データではなく、気象庁の公式発表データである。
インターネットで誰でも見ることができるが、参加者の誰もが見ていなかった。
会場は静まり返り誰一人手を上げなかったという。

気候変動における政府間パネル」(IPCC)という国連の組織がある。
ノーベル平和賞受賞者で組織されている。
「魔女狩りの裁判官」の役割をしている。
この組織のデータの捏造、デタラメの仮面がはがされつつあるという。
,
アメリカの元副大統領アル・ゴアは『不都合な真実』を書いてノーベル平和賞を受賞した。
内容がデタラメすぎてイギリスでは裁判を起こされている。


温室効果ガスには、Co2やメタンだけではなく、最大の影響を与える水蒸気がある。
IPCCはこれを無視しているという。

著者が最大の影響をあたえていると考えているのは「太陽活動」である。
2008年から2009年太陽にかけて太陽黒点が消えたという。寒冷化を示す。

自然界だけではない。
急速な都市化により「ヒートアイランド現象」が深刻になっている。

原子力発電所は、最悪の地球加熱装置という・
膨大な廃熱が原因である。

電気自動車エコカーと呼ぶのは大きな錯覚だ。
夜間に一斉に充電するとどうなるか。膨大な排熱で気温は上昇する。

環境は護りたいと誰もが思う。
地球規模あるいは宇宙規模の視野から考えないと、とんでもない方向へ導かれてしまう。

本書には、「目からウロコ」の情報満載だ。
「環境問題」のペテン、偽善、詐欺に陥らないために是非読んで欲しい。

二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書) [新書]



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このブログはミスターSと、その仲間で読んだ本の所感等を書いています。私ことミスターSはフォトリーディングという特技で、1年間に365冊以上の本を読むようにしてます。このブログを読んで、気になった本があったら、ぜひ読んでみてください。

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