ミスターSの本棚

人ったらし  亀和田 武   文藝春秋

(ミスターSです。)


私が勤めている会社にある女性社員がいた。
営業で得意先を担当していた。

クレームがあっても彼女が行くと何でもなかったように収まる。
それどころか大量の注文をもらってくる。
何度も経験した。

頭がいいわけでもなく(失礼!)営業のスキルや商品知識があるわけではない。
口がうまいわけでも謝り方がうまいわけでもない。
不思議だった。ある日気がついた。

彼女のような人を『人ったらし』というのだろうと。
知らず知らずのうちに相手の懐に入り込んで心をつかんでしまう。
相手は心地良ささえ感じるからおそろしい。

本書には愛すべき「人ったらし」が登場する。
アントニオ猪木色川武大吉行淳之介、梨本勝や「憎めない男たち」である。

彼らがいるだけで元気が出てやる気が沸いてくる。
計算高さとは無縁な純粋無垢な人たちである。
天真爛漫で生活の疲れも感じさせない。

ペテン師と紙一重の『人ったらし』から立派な『人ったらし」まで、魅力を
たっぷり語っている。

著者は言う。
コミュニケーションスキルを磨こう」なんて薄っぺらなハヤリ言葉より
「人ったらしになってみないか」のほうがズバリ核心をついている。

人ったらし (文春新書) (新書)




スポンサーサイト

テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

目立つ力  勝間和代   小学館新書

(ミスターSです。)

副題は「インターネットで人生を変える方法」

「目立つ力」とはインターネット・メディアを活用する力のとこと定義する。

著者が言うように日本人は「目立つ」ことのないように教育されてきた。
日本の社会では「控えめ」「謙虚さ」も美徳である。

インターネットは「控えめな人」にも「自己主張」の機会を与えるようになった。
「新しい情報」や「人との出会い」が生まれる。
チャンスが大きくなり、自分の夢の実現が出来るようになる。

本書は「勝間和代ができるまで」のサクセスストーリーでもある。

学生時代パソコン通信を始める。
②ワーキングマザー向けサイトムギ畑」を開設
ブログ開設
④『ウォールストリート・ジャーナル』注目女性
⑤本の執筆
⑥ブログメンバーによる応援
ベストセラー作家

著者はインターネット発信のコツを伝授する。
PLAN→DO→CHECK→ACTIONごとに戦略を提案する。
マッキンゼーコンサルタントの発想が生きている。

2008年から日本にTWITTERが上陸した。
ブログに取って代わるといわれている。

「自己主張が苦手な人」もインターネットで世の中に発信することが出来る。
自分の世界が全世界へと広がる。

インターネット・インフラの進展は凄まじい。

「個人の生き方」を変え「人間関係のあり方」を変えていく。

目立つ力 (小学館101新書 49) (単行本)




テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

ツキの波   竹内一郎  新潮新書

(ミスターSです。)


「運」や「ツキ」を認めない人でも体験する。
「今日の試合はツキが味方したから勝った。」

ビジネスの現場でもある。
「まとまる話がまとまらなかった。ついてなかった。」

一人の勝負師がいた。
雀聖(麻雀の神様)と呼ばれた阿佐田哲也氏である。
別の名は直木賞作家、色川武大氏である。

賭博で勝ち負けだけを考えなかった。
作家色川武大が「人間の秘密」「宇宙の法則」を感じ取ったのである。
「うらおもて人生論」をはじめ折に触れて「ツキ」を語っている。

「運の総量は一定である」という。

人気絶頂、全勝街道を走っていた作家、向田邦子さん
は台湾で飛行機事故にあい亡くなった。
私も当時なんと悲運なことだろうと思った。

阿佐田には「ただの悲運」には見えないという。
向田さんも少し「負け戦」を混ぜていた方が良いと判断するのだ。

先日ラジオを聞いていたら
かつてテレビで一世を風靡した大橋巨泉が語っていた。

現在76歳になるが20年前の56歳で引退し日本と海外で
悠々自適の生活を送っている。

引退の理由を聞かれた彼は次のよう言っていた。

「僕は歌も踊りも出来ない。才能なんてない。自分が名声を得て
お金も稼げたのは単に運が良かっただけだ。
このまま続けたらマイナスの反動で自分の命を縮めることにりかねない。
自分の運を後輩に譲ることにした。」

「いい気」になっているとそのうち災難が降りかかってくると
感じ取っていたのだ。
一流のタレントは優れた洞察力を持っているものだと感心した。

直感は考え抜いた末に出来上がる」
「勝利は週末への第一歩」
ヒットを打つよりフォームを固めよ」
「心理は市民法則の外にある」
「運の達人になる。
「世界は乱雑なままで肯定される」

深い洞察に溢れている。

「運が良いと思っている人」も「運が悪いと思っている人」にも
気づき」と「ヒラメキ」を与えてくれる本である。

ツキの波 (新潮新書) (新書)




テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

不幸な国の幸福論  加賀乙彦  集英社新書

(ミスターSです。)

著者は作家で精神科医でもある。
不幸な国とは日本のことだ。

日本では年間3万人以上が自殺をしている。

直近の12年間では約40万人になる。
人口40万人の都市が死滅したのと同じである。
自殺未遂者はその10倍といわれている。

一方、変死者は年間14~15万人でその半数は自殺といわれている。
自殺者統計に加えている国が一般的だが日本は違う。
年間10万人が自殺をしていると見るのが正しいようだ。

実質的な自殺率ダントツ世界一である。

なぜなのか。

日本のセーフティネットが貧困であり、また国民から安心や希望、
人と人のの暖かなつながりを奪ってしまった社会構造にあると指摘している。

一方、著者は人間の「生き方」にも言及する。
幸福を阻む考え方・生き方が広がっていると指摘する。

人間は悩むものだ。
大いに悩み自分の弱さや限界を認め、それを乗り越えてゆくのが「成長のあり方」である。

秋葉原通り魔事件の犯人はこの対極にある。
自分のコンプレックス他人・社会に向けたものだ。

「正しく悩めない人間」や「考えない人間」が溢れ出しているという。
自分で自分を不幸に追いやっている。

日本人のメンタリティにも触れる。

フランス人は「他人と同じ」で心を病む。
日本人は「他人と違う」ことで心を病む。
日本は集団主義を強いり、「個」育てが苦手な社会であるとも言う。


不幸を幸福に変える技術を提案する。

「幸不幸は考え方次第」であるとごく平凡な答に行き着く。
養老孟司さんも言うように皆「バカの壁」の住人だ。
自分の考えにとらわれて生きているに過ぎない。

人は必ず死ぬ。
生きている間は短い。

齢80歳を超えた老精神科医は「幸せに生きるコツ」を静かに語る。
著者が述べていることは平凡なことである。
真実は平凡さに潜んでいると思う。

不幸な国の幸福論 (集英社新書 522C) (新書)




テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

情報調査力のプロフェッショナル 上野芳恵 ダイアモンド社

(ミスターSです。)

インターネット簡単に「情報」が手に入るようになったと
思っている人は多い。

確かにインターネットのない時代よりは情報は得られる。
だが「本当に必要な情報」を得られているわけではない。

著者は「情報調査のプロ」である。
インターネットや媒体で得られる情報を提供しても金にはならない。
「情報を知っている」という錯覚に陥りやすい。

著者は「調べるサイクル」を提唱する。

①知識ギャップの認識
②自分の情報源リストとのすり合わせ
③情報の獲得
④自分の情報源リストの整備

情報過多の世の中にいてなぜ情報力が身につかないのか?
「情報体質」になっていないからだという。
自分の血肉になるような体質になっていないのだ。

本書は「情報の達人」になる方法を伝えている

情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」 (単行本)



テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

貧困ビジネス  門倉貴史  幻冬舎

(ミスターSです。)

「貧困の克服」を目指し先人たちは戦ってきた。
貧困は犯罪の温床でもある。貧困は学問も遠ざける。
戦後の「焼け野原」から現在の「豊かな日本」を築いてきた。

貧困ビジネス」ときいてどのように思うだろうか。

著者は定義する。
貧困層メインターゲットにして、短期的な利益を追求する
ビジネス全般のことである。」

「貧困層」はリーマンショックに始まった「世界同時不況」で急増している。
具体的には「ワーキングプア」「日雇い派遣」「生活保護受給者」
ネットカフェ難民」「多重債務者」を指す。
1900万人がターゲットになるという。

「貧困層」が食い物にされている事例が多くある。
「弱い立場」の人間を追い詰めていく手口のオンパレードである。
ゼロゼロ物件」や「保証人ビジネス」「リセット屋」「名義貸し」「ヤミ金融」など
手口は巧妙化している。

日本だけではない。
「臓器売買」や「人身売買」などが世界で蔓延している。

「貧困層」を救うにはどうしたらよいか。
一つには法の整備が必要という。
罰則が余にもも軽い実態がある。

根本的な問題解決としては、最低賃金引き上げや非正規社員の正社員化などの
政策が必要であるという。

中谷巌さんが著書資本主義はなぜ自壊したのか」で言っているように
グローバル資本主義というモンスター」が世界を侵食してしまった結果である。

「モンスター」に鎖をつけなければ解決しない。

貧困ビジネス (幻冬舎新書) (新書)



テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

日本崩壊  日本テレビ報道局  新潮社

(ミスターSです。)

日本テレビ報道局の特命記者取材し放映した中でもっとも反響
大きかった五つのテーマを本にしたものだ。

・食品偽装
医療崩壊
教育現場
ゴミリサイクル
・幼女誘拐殺人事件

日本崩壊と大げさな題名になっているが、どれも根が深い。
日常生活に直結する課題である。
放置しておいたら社会の根幹が揺らいでくるであろう。

2008年に報道されたが古くはない。
状況は「変化なし」あるいは「悪化」している。

私が特に危機感を持ったのは「ゴミのリサイクル」である。
「ミスターSの本棚」での幾度か取り上げている。

律儀な住民は自治体の言うとうりにゴミをキチンと分別して出している。
有料であっても環境のことを考え、自治体がしっかり処理をしてくれていると信じている。
実はそうではない。
アルミ缶ペットボトルを除けば リサイクルされるべきゴミの大半は捨てられているのだ。
ペットボトルのリサイクルには3倍の石油とコストを浪費していることも忘れてはならない。

産業廃棄物を取り巻く「深い闇」には誰もが眼を背けている。
「ゴミのリサイクル」の欺瞞を告発し続けている武田邦彦さんは
何冊もの本を書いて警告している。

本は読もうとする意思がなければ読まないがテレビは報道すれば
一瞬にして何千万の人々に知らせることが出来る。
「ゴミのリサイクル詐欺」を自治体ぐるみで行っていては社会はおかしくなる。

「テレビの力」で「日本崩壊」を食い止めて欲しい。

ACTION日本崩壊―五つの難問を徹底追跡する (単行本)




テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

失敗学 実践講義  畑村洋太郎  講談社

(ミスターSです。)

失敗学」の事例集である。
事故は繰り返される。

自分が起こした失敗や事故もある。
毎日のニュースは失敗・事故の報道である。

「どうして事故は起きたのだろうか」と誰もが思う。
複雑な要因が重なった場合もあるが、単純ミスも多くある。
著者も言っているように「失敗はかならず起きる」

本書では九つの事例を取り上げている。
大きなニュースになり誰もが知っている事故である。

著者の「失敗学」の特徴は事故の分析で「行動」の要因を
「原因」と「結果」の間に取り入れていることだ。

「原因さえ取り除けば結果は起こらない」という考えを排除する。
原因があっても結果は起こらないこともあるからだ。
「原因」と「結果」の間の「ヒューマンエラー」が失敗の元になることが
多いからだという。

事故別に「原因まんだら」「行動まんだら」「結果まんだら」の図がある。
人目で視覚的に分かる仕組みだ。

便利で安全な社会ではあるがいつどこで事故に巻き込まれるか分からない。
過去に起きた事故を教訓にするためには「ありきたりな事」をしてもダメである。

「失敗学」を深く学ぶことが重要である。

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫) (文庫)




テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

ルポ 資源大陸アフリカ  白戸圭一 東洋経済新報社

(ミスターSです。)

南アフリカ共和国サッカーワールドカップが6月に開催される。
世界で最も殺人事件の多いい国の一つであることが報道されているためか
観戦ツアーはいまいち盛り上がらない。

アフリカ諸国での内戦と虐殺事件は日本でも報道されている。
コンゴソマリアモザンビーク等の国名は聞いたことはあるだろう。
遠い国である。

著者は毎日新聞ヨハネスブルク特派員として4年ほど赴任した。
アフリカの紛争地帯を取材したルポである。

南アフリカ共和国はかつてアパルトヘイトという人種差別政策が採られていた。
大統領に黒人であるマンデラが就任し撤廃された。

撤廃後に起きたことは「格差」と「貧富の差」のすさまじい拡大である。
黒人社会の階層化が進み経営者と末端従業員の差は110対1にまで
拡大したという。
11人に1人は一日一ドル以下で生活している。

アフリカは資源大国である。
レアメタルの宝庫であるが石油資源も莫大である。

「富の源泉」も「貧困の源泉」も「犯罪の源泉」も石油をはじめとする資源である。
グローバリズムの進展がアフリカ諸国に襲いかかっている。
富める国による収奪である。

地球規模の格差社会の底辺に置かれているのがアフリカであると指摘している。
「格差」が「暴力」を生み、「富める国」「国際社会」を脅かしている。
グローバル資本主義にどう向き合うのかを訴えかけている。

アフリカで今起きていることは全世界の問題であることを我々に教えてくれる本である。

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄 (単行本)



テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

相続はおそろしい  平林亮子 幻冬舎新書

(ミスターSです。)

人は誰しも最期を迎える。例外はない。
相続からは逃げられない。

「相続がおそろしい」のは相続に直面して初めて
事態が発生することがあるからだ。

人間のどす黒い欲望が顔をだす。
「いい人間」が豹変する。小説の出来事ではない。
ごく一般に起きることである。

民法には相続法がありきっちり決められている。
知識がある人はある程度冷静に対応できるが
法的な知識がない人は混乱に陥る。

本書では、具体的な事例を取り上げ分かりやすく解説している。
法律が苦手という人にも身近である。

法定相続」「遺産分割」「相続放棄」「限定相続」「代襲相続
遺留分」「連帯保証人」「非嫡出子」「遺言」などの知識も習得できる。

相続の入門書としてお勧めである。

相続はおそろしい (幻冬舎新書)




テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌


地球の名言


presented by 地球の名言

スポンサード リンク

                     

プロフィール

ミスターS

Author:ミスターS
このブログはミスターSと、その仲間で読んだ本の所感等を書いています。私ことミスターSはフォトリーディングという特技で、1年間に365冊以上の本を読むようにしてます。このブログを読んで、気になった本があったら、ぜひ読んでみてください。

カレンダー

04 | 2010/05 | 06
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

最新記事
カテゴリ
検索フォーム

アクセスカウンター

最新コメント
QRコード

QR

月別アーカイブ
天気予報


-天気予報コム- -FC2-

リンク
最新トラックバック
RSSリンクの表示