ミスターSの本棚

会計力養成講座   田中 靖浩   かんき出版

(ミスターSです)


「会計」は数字の塊である。
数字アレルギーのひとも多い。

しかし、企業の業績はすべて数字で示される。
損益計算書(P/L),貸借対照法(B/S)、キャッシュフロー計算書がある。
これらを理解するために会計学の教科書で勉強してもなかなか身につかない。

会計学を志す学生はともかく、一般のビジネスパーソンには向いていない。
数字の羅列にうんざりして興味を失う結果になる。

著者は本書のはじめに『なぜ経理は会社で嫌われるのか?』で
その理由を指摘している。

数字の勉強には「作る・読む・活かす」という3つがある。
決算書を作るのが経理の仕事だ。

経理以外の一般的なビジネスパーソンにとって、学ぶべきは「作る」ではなく
「読む・活かす」この2つをマスターすることが大事だといっている。

数字を作るうえでは「経理は数字に強い」といえるが、数字を読む・活かす点では強いとはいえない。
経理的な数字の強さと、経営者的な数字の強さは別モノである

経理や会計士・税理士は「過去」を処理する技術屋で、経営者は未来を開く人である。
ここに数字の見方の根本的な違いがある。


それでは、どうしたら会社の数字に明るくなることができるだろうか?
数字を読む上で大切なのは「知識」と「想像力」であるという。

回転寿司の「かっぱ寿司」やコーヒーショップの「スターバックス」の
原価はどれくらいだろうか?
「サイゼリア」の料理も安いが、原価率はいくらだろうか?
「ドリンクバー」は儲かるのか?

この会社はどのくらい借金があるのか?またどのくらいの蓄えがあるのか?
また、同業他社と比べて何が優れているのだろうか?
積極的に設備投資をしているか?などすべてが決算書に記されている。

決算書の仕組みを知り理解すること(知識)と疑問と仮説(想像力)がポイントである。

「問題意識」と「想像力」をもって決算書を眺めると無味乾燥と思っていた数字が実に楽しいものになる。
経営者マインドから眺めた数字になる。管理会計のおもしろさである。


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会社をつぶす経営者の一言  村上信夫  中公新書

(ミスターSです)


企業が不祥事を起こしたときに「お詫び会見」が行われる。
社長を初めとして幹部が一列に並び、深々と頭を下げる光景は
メディアを通じて全国に報道される。

記者から鋭い質問が飛んでくる。
会社側から「返答」がヤリ玉に挙げられることも多い。

『無責任だ』『誠意がない』『被害者の立場に立っていない』
致命的な言動をとってしまうこともある。

雪印乳業・集団食中毒事件での社長の発言である。
『私は寝てないんだ』
この場面は全国ネットテレビで放映された。

寝ないで対応に追われ、心労が極度に達していたのは事実であろう。
しかし、この一言が被害者感情に火を注いだ。

この一言が会社の対応を象徴していると思わせた。

結局社長は辞任に追い込まれた。
ある本で読んだが、社長にこのような発言をさせること自体
会社のリスク管理に甘さがあるという。トップの言葉は最終責任である。
トップの言葉は選ばなければいけない。

話は変わるが、
宇宙飛行士が地球からのインタビューに応えるシーンを見たことがある人は多いと思う。
受け答えが的確でそつが無い。「いいこと言っているな」と感心することもある。
彼らは、長期にわたって専門家からトレーニングを受けているというのだ。
何千万もの人が見ているから、失言は許されない。

本書には、多くの事例がある。
メディアで報道されたから知っている事件だ。

著者は言う。
「人は起こしたことで非難されるのではなく、起こしたことにどう対応したかによって
非難される」

多くの人は、緊急時の言動からその人間性、あるいは企業の本質が分かると
考えている。

企業側としては、「コトバ」「態度」「姿勢」などを徹底してシミュレーションをして
リスク管理に注力することが求められている。

会社をつぶす経営者の一言 「失言」考現学 (中公新書ラクレ) [新書]



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ドル漂流   榊原英資   朝日新聞出版

(ミスターSです)


1971年8月15日 アメリカニクソン大統領ドルと金の交換停止を宣言した。
いわゆるニクソンショックだ。ドルの緩やかな下落が始まった。

その後、1973年、世界は変動相場制の時代となった。
為替取引は変貌を遂げていった。

現在では、クロス取引(米ドル以外の通貨同士の売買)が急速に拡大している。
もはや、米ドルだけの世界、ドル本位制の世界は終わったのである。

著者は歴史をさかのぼり「通貨の興亡」を検証していく。

アメリカ金融帝国の覇権終焉し、ユーロ誕生したヨーロッパの歴史をたどる。
成熟化した先進国の経済と新興国の台頭はめざましい。
経済のダイナミズムは通貨のダイナミズムでもある。

ドル本位制が終焉し、世界の為替は無極化した。機軸を失ったのだ。 z
基軸通貨たるドルはどこへ向かうのか。
ドルに代わる機軸通貨は生まれるのか。

まさに「ドル漂流」である。

著者は、世界経済が大きな構造変化の局面に入ってきていることを強調する。
先進国が成長段階から成熟段階に入ってきたこと、
一方では、中国やインド等の新興国が世界経済の中心になってきたことを意味している。

さらに著者は「世界の歴史の中の中国とインド」を振り返る。

19世紀のはじめにおいては、中国とインドのGDPは世界の45%を占めていたそうだ。
しかし、欧米のアジア植民地化によって衰退を余儀なくされた。
この200年だけが欧米に逆転されただけで、長い歴史をみればほとんどの期間
中国とインドは世界の超大国であった。

今直面している構造変化は、オリエントつまり再び東洋に歴史の中心が戻ってきたという
ことに過ぎないという。

「目からウロコ」の卓見である。

ドル漂流 [単行本]



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愚者の黄金  ジリアン・テッド  日本経済新聞出版社

(ミスターSです)

副題は「大暴走を生んだ金融技術」

2008年のリーマンショック世界経済は100年に一度の危機に突入した。
多くの経済学者エコノミストが論評し本を書いてきた。
私もこのブログで何回か書評を書いている。

『愚者の黄金』は一味違う。
著者は何を訴えたかったのか。

J・P・モルガンで銀行でかつて働いてきたひとにぎりの金融関係者の物語を
ひも解くことによって「この金融危機がいかにして起こったのか」の答えを見出している。
J・P・モルガンは一世紀に渡って銀行業界の大黒柱であった。

『世界経済の三賢人』のなかでも紹介したが、パフェットは言う。
デリバティブは「金融の大量破壊兵器」である。

パフェットのような賢人は、今回の危機が到来する前から警告はしていたが
たいていの人は「毒を飲まされ、踊らされた」

この大量破壊兵器を作ったのが、モルガンの若きエリートたちだ。
物語は、フロリダ美しいプライベートビーチにあるホテルから始まる。
有名人や資産家の隠れ家にふさわしい場所だ。
ここにニューヨークロンドン、東京からモルガンの若いエリートが結集した。

若き優秀な頭脳が新しい金融技術を生み出していく。
競合金融機関との競争、エリートたちの個人的や野望が渦巻く。
人間模様も生々しい。綿密な取材に感心させられる。

彼らが、規制当局の駆け引きや金融業界の荒波を乗り越えて、
新しい金融技術CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を開発し、
金融市場に普及したかが明らかにされている。

それは同時に金融市場の崩壊をもたらしたものであった。
モルガンがCDSを開発していなかったら、危機は起きなかったかどうかは分からない。
危機は起こるべくして起きたかもしれない。
ただ、今回の危機の主因、引き金であったことは確かである。

読み進むにつれて不思議に思うことがあった。

実体経済」の話がでてこない。
「消費者」や「もの作り」が経済の原点であるはずだ。
「実体経済」と全くかけ離れたところでの金融技術など破滅するに決まっている。

強欲が人間の判断を狂わし社会を破壊する。
本書は「人間の愚かさ」の教訓と見ることもできる。
まさにFOOL'S GOLD〈愚者の黄金)である。

愚者の黄金 [単行本]



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あなたに貸す金はない! 岩田昭男  アスキー新書

(ミスターSです)


副題は「国が生み出す新しい借金地獄」

改正貸金業法、改正割賦販売法という二つの法律施行された。
それぞれ施行日は、平成22年6月18日と平成21年12月1日である。
消費者金融サラ金)とクレジットカードを取り巻く環境が激変した。

何が変わったのか?
①「総量規制」が制度化された。
②「指定信用情報機関制度」が新たに導入された。

法改正の目的は何か?
社会問題化している多重債務者をこれ以上増やさないのが目的。

具体的にはどうなるのか?

①一個人の借入限度額は年収三分の一に決められる。
同時に、年収証明書の提出も必要となる場合もある。これが貸金の総量規制だ。
例えば、年収300万円の人の借入限度額は100万円までに制限される。

ただし、貸金業者(サラ金、クレジット会社等)からの借り入れに対する制限であるため
銀行借入や住宅ローン自動車ローンは対象外となる。
クレジットカード・ショッピングも異なる計算方法で総量規制が実施された。

②顧客情報が一本化される。
現在、業態ごとに五つの信用情報機関があるが一本化され、情報が共有化される。

何が問題か?

借り入れができない「借金難民」が1000万人に達すると予測されている。
年収200万円以下のワーキングプアといわれる低所得者が困窮することになる。
「借金難民」が「借金地獄」にはまってしまう。

銀行ローンは対象外ではあるといっても、もともと消費者金融に頼る人は
銀行ローンができない人たちである。
借り入れのあてのない人は「ヤミ金」に頼るようになる。
「ヤミ金」の跋扈が心配される。

これからどうなるのか?

「年収格差社会」がやってくるという。
年収1000万円以上の富裕層は、優遇され、400万円以下の人には
厳しい社会になっていく。

クレジットスコア」が日本にも導入されるようになる。
借入額、残債額、返済状況などから総合的に判断された、信用力の偏差値のことだ。
アメリカでは導入されている。

グレーゾーン金利も撤廃され貸金業者の横暴も制限されるようになった一方
消費者にとって新たな規制も始まっていることを知らなくてはいけない。
借金を取り巻く環境は激変している。

著者もいうように、「信用力がきびしく問われる社会」が到来している。

あなたに貸す金はない! 国が生み出す新しい「借金地獄」 (アスキー新書) [新書]



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百年続く企業の条件 帝国データバンク  朝日新書

(ミスターSです)

「企業の寿命30年説」はよく言われる。
帝国データバンクが調査したところによると、企業の平均寿命は40.5年。
30年説は80年代までの話だそうだ。

毎日多くの企業が創業される一方で、多くの企業が廃業や倒産に追い込まれている。
私たちが生まれるずっと前から存在している企業もたくさんある。
老舗企業」だ。

日本で100年以上の老舗企業は、二万社あるという。
帝国データバンクが「老舗企業」の実像に迫ったのが本書である。

100年どころか室町時代から数百年続いている企業もある。

・老舗企業として大事なことを一文字で表すと何かと質問した。
『信』が圧倒的な支持を集めて一位になった。
以下「眞」「継」「心」「真」と続く。

・社風を一文字で表すと
『和』が圧倒的に多かった。

・老舗の「強み」は何か。
『信用』と回答した企業が70%を超えた。

・老舗の「弱み」は何か。
保守性』と回答した企業は過半数を超えた。

経営者の回答は我々の予想と違わない。

・老舗が生き残るために必要なものは何か。
信頼と進取の気性」を重んじている経営者が多い。

「家訓」「社訓」の分析もおもしろい。
老舗企業の憲法である。
歴史の試練を経て培った「経営の要諦」である。

業種、業界によって違いはあるが、五つのキーワードにまとまるという。
・感謝・勤勉・工夫・倹約・貢献

激動する世の中で、100年以上継続し、発展するためには
社会の変化を読み、適応し、自らを変革させる力が必須である。

本書で言う「新しい老舗」を実現した企業だけが生き残っている。
本書には12社の老舗企業が紹介されている。
「新しい老舗」の持つ「しなやかな強さ」が伝わってくる。

興味を引く行がある。

危機に直面したときだ。
『いつも苦しいときになぜか誰かが手を差し伸べてくれた』
『商売を「運」で片付けてははいけないが「徳」があった。』
『その時々に、助けてくれる人が出現する』

戦争や災害で多くの老舗が倒産しているが、乗り越えられたのは運があったからだという。
不思議な力を実感しているのだ。

老舗の研究は「新しい発見」で一杯である。

百年続く企業の条件 老舗は変化を恐れない (朝日新書) [新書]



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お金で騙される人、騙されない人  副島隆彦  幻灯舎

(ミスターSです。)

アメリカサブプライムローン証券会社が仕組んだ詐欺であった。
証券化」に詐欺師が群がった。
「自分は騙された」と思いたくないために、大きな損害を被って初めて現実に直面する。

日本も例外ではない。

銀行、証券、生保など社会的信用の高い企業が詐欺集団に成り下がっている実態を暴いている。
詐欺の意図がなくても結果として詐欺行為になっている。
はじめから詐欺の意図があるのではないかという事件も頻発している。

では、なぜ新聞、テレビに出ないか。一部の週刊誌等で記事になっている程度である。
彼らはスポンサーであり広告主だ。新聞、テレビは支配されているからだ。
著者は、巧妙に仕組まれた詐欺の事例を取り上げ、警告を発している。

リスクの高く、トラブルの多い金融商品には以下のものがある。

①変額個人年金保険
投資信託
外貨預金
FX取引外国為替証拠金取引

「売り手」のなにが問題なのか。

現行の金融商品取引法は「商品リスクの説明義務」を課している。
口頭で簡単に説明し、リスク説明条項がビッシリ書かれた書類を渡しただけで
「買い手は了承した」と都合のいいように解釈するのだ。

トラブルが発生したときには、態度を豹変させ、「説明義務は果たした」とのたまう。
自己責任」に追いやる常套手段に出る。
「はじめから仕組んだ詐欺」としかいいようがない。

「買い手」には責任はないのか。

「欲の皮が突っ張った人間」が騙されただけだと冷たく見放す人もいる。
しかし、騙された多くの人は、善良な市民であることも忘れてはならない。

大会社金融機関に任せておけば、「うまくやってくれる」時代は遥かな昔話である。
グローバル化した金融商品は複雑すぎてとても素人には手に負えないものだ。

著者は何回も言う。

①十分に注意し②疑い③警戒(用心)することが大切である。
・分からないことはしつこく聞け。
・問い詰める技術を身につけよ。

マスコミに出ている著名な経済評論家の中にも、億単位で損をした人が
かなりいるという。
金融商品はプロさえ食い物にする。
金融商品はグローバル化している。

「仕掛けられた罠」に、素人の個人は無力である。
本書を読んで、「金融商品」の実態を知ることからはじめよう。


お金で騙される人、騙されない人 (幻冬舎新書) [新書]



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コンサルタントの「解答力」  野口吉昭 PHPビジネス新書

(ミスターSです。)

以前、同じ著者の『コンサルタントの「質問力」』という本を読んだ。
「質問力」を明確に定義し、例えを交えた話の展開は説得力があった。
「質問力」とは、相手に「化学反応」を起こすことだと言っていたのが印象にある。

今回は「解答力」である。

「解答」とは「溶液」だという。
ソリューション」とは課題解決でけではなく「溶解」の意味もある。

「回答」との違いを明らかにする。
「回答」は単なるレスポンスにすぎない。
「解答」はソリューションであり、「回答」との決定的な違いは「相手軸」があることだ。

雪印不祥事を取り上げている。
社長の対応は 「回答」であった。「解答」ではないことを見抜かれ、雪印批判に火をつけた。
企業存続にもかかわってくるのである。

コンサルタントの「解答力」も「相手軸」が必須なのだ。
ビジネスでも然りである。
公務員の対応でななおさら「相手軸」に立った「解答力」が求められている。、

著者は、「言葉」のもつ意味をとらえて思考するのがうまい人である。
一つのテーマを追求するために一日で30冊の本を読むといっているが
広範な読書と思考の賜物だと思う。

コンサルタントの「解答力」 (PHPビジネス新書) [新書]



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ガラパゴス化する日本  吉川尚宏 講談社現代新書

(ミスターSです。)


ガラパゴスと聞いて連想するのは「ガラパゴス・ゾウガメ」や「ガラパゴス・イグアナ」だ。
独自の進化を遂げた生物たちだ。

外部からの攻撃には弱いため保護され、世界遺産にも登録されている。
ダーウィン進化論を連想させた島として知られている。

ガラパゴス化」とは何か。

携帯端末の実態が物語る。
日本の携帯電話の高機能は他国のメーカーの追随を許さない。

しかし、世界NO.1メーカーはフィンランドノキアである。シェアは約40%を抑えている。
次いでサムソン(韓国)が16%、モトローラ(米国)が9%だ。
日本は10%のシェアで8社がひしめきあっている。

ワンセグで少し前のパソコンをも凌ぐスペックがあっても世界の市場から「受け入れられていない」
「日本製品のガラパゴス化」の典型である。

製品だけにとどまらない。

「ガラパゴス化した製品」を作り出している企業体質を「日本企業のガラパゴス化」と言っている。
企業を超えて「日本国」にまで広がり「日本人のガラパゴス化」が進展していると指摘する。

日本はアジアの金融センターになる機会を逸した。
ロンドンニューヨーク、東京の三大金融センターを目指したが、三位は香港になった。
東京は第七位だ。

海外に行く若者も激減している。ネットをはじめ海外の情報簡単に手に入る。
海外留学に魅力を感じなくなっている。
「ガラパゴス化は日本に蔓延している。事例が多く取り上げられている。

なぜガラパゴス化が良くないのか。

少子・高齢化が進展している日本では成長の限界がある。
活性化の鍵としてグローバル化が必要である。

脱ガラパゴス化のシナリオはあるか。

著者はゲームのルールを変える能力を強調する。
先駆けて市場参入をはかり、ロビー活動戦略、提携戦略、メディア戦略を提案する。

官がまずグローバル化して、霞ヶ関を日本最強の貿易産業にするべきだという。

日本経済の新たな成長戦略が必須である。
「脱ガラパゴス化」とは実に言い得て妙である。

ガラパゴス化する日本 (講談社現代新書) (新書)



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一流の人は空気を読まない    堀 紘一 角川書店

(ミスターSです。)

著者の堀紘一氏はコンサルタントファーム
ボストンコンサルティンググループ(BCG)の元社長である。
知っている方も多いいと思う。

現在は、ドリーム・インキュベーターの社長をしている。
著者にとっては5回目の転職となる。
本書は著者の5回のビジネスキャリアを通じて語られている。

一般に「空気が読めない」とは、悪い意味で使われる。
「KY」は流行語にもなった。

一方、「空気読みの達人」もいる。
会社には横行している。自分の意見はないが周りの空気を察して瞬時に
自分を「空気にあった人間」に変身させる術を持った人間である。

皆さんの周りにもいるだろう。「ヨイショ」がうまい人間が評価されるときもある。
日本の組織・社会には蔓延している。

「空気を読んで、周りに合わせているだけでは一流になれない。
それでなれるのは一流の空気読み、すなわち迎合主義のスペシャリストでしかないのである。

著者は自分の父親を語る。

外交官イタリア大使、プロ野球パ・リーグ会長を務めた「成功者」である。
「自分の人生でいちばん残念であったのは、本当の意味での仕事を
したことがない」と口にするという。

「命をを張るような仕事をしてこなかった」ということらしい。
「空気読み」には長けていたのだろう。

「空気は読むな」は「空気が読めない鈍感な人間になる」を意味しない。
「空気を読める」からできることである。

人の気持ちを察する洞察力も十分ある人たちが、承知の上で周囲に同調せずに
創造性を発揮することが重要であると説く。

「自分」「会社」「社会」を「空気読み」の切り口で語っている。
かつて、山本七平さんは『空気の研究』を書いた。
日本社会の優れた研究書である。

本書は堀氏が自らのビジネス体験からみた「空気の研究」である。

「社会の見方」「自分の生き方」にヒントを与えてくれる本である。

一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21) (新書)



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このブログはミスターSと、その仲間で読んだ本の所感等を書いています。私ことミスターSはフォトリーディングという特技で、1年間に365冊以上の本を読むようにしてます。このブログを読んで、気になった本があったら、ぜひ読んでみてください。

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